電子スピンが渦状に並んだ磁気構造体「スキルミオン」は、その駆動電流密度が極めて小さいことから、近年、次世代の超低消費電力磁気メモリ素子として、国内外で大きな注目を集めている。本研究ではナノドット構造を有するFe系材料に注目し、その室温スキルミオンの発現、並びに、低電流駆動実現のための要素基盤技術の構築を目的とした。その結果、不規則化A2型ドット構造FeAl合金においてスキルミオン類似のスピン状態が表面に生じることが明らかになった。また、電子ビーム描画法と集束イオンビーム加工法を駆使した微細加工法がスキルミオン駆動実証用マイクロ素子作製基盤技術として極めて有効であることがわかった。
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