トーリック多様体の理論を用いて記述されるトーリック型カスプ特異点について形式扇の理論の確立に向けて研究を行った.固定形式扇を定義して,これが扇として実現できるための支持関数についての条件を与えた. 土橋宏康によって構成された,例外因子が 4 つの 3 次元トーリック多様体で 48 の通常 4 重点を持つ 4 次元カスプ特異点について,その交叉の仕方を具体的に記述した. 複素解析的孤立特異点として定義されていたトーリック型カスプ特異点とその非特異化が,形式スキームの理論を使うことにより任意の標数の体上の完備局所環とその上の射影スキームとしても定義できることを示した.
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