研究課題
挑戦的萌芽研究
2次元格子模型の可解性を保証するヤン・バクスター方程式の3次元版類似である四面体方程式を表現論的な観点から調べ、一般化量子群という新しい対称性とその表現を得た。また、量子群の表現論からの視点と四面体方程式の解の具体的な表示を確率論における可積分マルコフ過程の研究に応用し、新しい可積分マルコフ過程をいくつか構成してその定常状態の行列積表示を求めた。
数学
一般化量子群という新しい対称性を〝よい″表現とともに見つけ出した意義は大きい。これらの表現は今までに知られていた通常の量子展開環のよい表現と同様に、フュージョン構成法により高い次数の表現を構成することができたり、結晶基底が存在することが予想されるからである。この研究課題の補助期間は終わったが、ここで得られた一般化量子群の表現論の研究は今後も続け、一つの理論としてまとめ上げたいと考えている。