圧縮性Navier-Stokes方程式の解の時間無限大およびマッハ数ゼロの極限過程における境界層の数理構造の解明を目指して,全空間上の圧縮性Navier-Stokes方程式の解の時間無限大における漸近展開の展開第2項を導出した.また人工圧縮系および非圧縮Navier-Stokes方程式の定常解まわりの線形化作用素のスペクトルに関して,人工的マッハ数が小さいときに人工圧縮系の虚軸近傍のスペクトルは,非圧縮系のスペクトルの摂動で与えられる部分と圧縮系特有の部分とに分解されることを示した.このことから,非圧縮系の安定な定常解が人工圧縮系の定常解としても安定であるための判定条件を導いた.
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