回転球面上の2次元 Navier-Stokes 方程式の解が,回転角速度の増大とともに,非線形項を非線形共鳴相互作用のみに限定した流体方程式(極限方程式)の解に近づくことを示した。これは,共鳴相互作用項以外の非線形相互作用は,回転角速度の増大とともに激しく振動して打ち消し合いが生じるためである。帯状流に対応するモードはこの共鳴相互作用を通じて,他のモードのエネルギー輸送に直接の寄与は行わないが,他のモードの位相変化には寄与する。数値シミュレーション結果は,この位相変化の効果は全系のエネルギー輸送を考える際に無視できない効果を及ぼすことを示している。
|