素粒子物理学実験の分野で非常に重要な放射線検出器の1つにシリコン半導体検出器があるが、これは高純度無機結晶を用いており高価で大型化が難しい。本研究では有機化学合成で安価・大量に作れる有機半導体に着目し、これをセンサとした放射線検出器の開発を行った。センサ感度を向上し、実用化の目安であるβ線1個を20%以上の検出効率で検出することを目標とした。センサ作製のパラメータを調整しながら、各種センサを試作・測定した。その結果、α線、β線以外にも、γ線、宇宙線μ粒子の検出に成功した。また、本研究前は不可能であった数%以上の検出効率を達成し、作製の歩留まりも改善した。
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