微小領域非晶質試料の散乱強度を測定し動径分布関数を導出するため,ソラースリットおよび試料移動ステージを整備した.本システムを用いて月隕石のマスケリナイトの構造解析を行った.人工マスケリナイトの合成に関しては,初期結晶相が衝撃圧縮によって得られる構造変化は達成できたが,非晶質構造の再現には至らなかった.黒色かんらん石の研究においても,初期結晶相に歪の導入をもたらすことにのみ成功している.マスケリナイトや黒色かんらん石は衝撃圧とともにその後の高温環境が必要ではないかと考えている.本研究では,K-Pg境界粘土などに含有される微量元素の局所構造を解析し、生成条件に関する制約を与えることに成功している.
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