光学活性ビフェナントロールから出発して[7]-ヘリセンの中央部分にシクロペンタジエニルアニオンを導入し、その金属錯体を合成した。ヘリセンシクロペンタジエニルアニオンとRu(II)イオンを混合すると、一つのRu(II)イオンに対してヘリセンが1枚結合したものと2枚でサンドイット構造をとるものが生じた。また、ヘリセンのアレーン部位にももう一つのRu(II)イオンが配位した錯体も得られた。これらの錯体について、溶液中と結晶状態でのchiropticalな性質を明らかにした。Ru(II)が二つ配位子した錯体は燐光を示した。二つの金属間の電子の授受に由来するものと考えられる。
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