高耐熱性ポリマーの体積膨張率(CVE)の計測精度向上と独自の設計指針に基づく低CVEポリイミド(PI)の材料設計および熱膨張挙動の計測を行った。PI主鎖の局所運動性を抑止する設計として①「凝集構造制御」を検討し,高結晶化PI薄膜で顕著に小さなCVEを観測した。さらに,主鎖に ②m-フェニレン構造、③分子内・分子間水素結合、④屈曲性脂環構造を導入した新規PI群を合成し、それらの熱膨張挙動とCVE値を解析した。設計②で得られた屈曲性PI薄膜は非晶質であり、凝集状態は結晶性PIに比べて疎だが、CVEが大きく低下する興味深い結果を得た。さらに低CVEを示す無色透明・耐熱絶縁性PI薄膜の開発に成功した。
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