本研究では、「静電式振動発電機」の作動原理を利用して低周波振動から直接化学エネルギーを取り出すことを可能とする「振動駆動型電気化学リアクター」の提案を目指した。結果、±4.0 kV超の表面電位を有するオキシ水酸アパタイト(OHA)系エレクトレットによる「エレクトレット/空気層(0.1~1 mm)/電極」ユニットにおいて、電極内に理論値の50~90%に相当する電荷が誘起されることを明らかにした。一方で、最終目標であった水電解反応を十分に誘起し得るリアクターユニットの試作には至らなかったことから、振動駆動型電気化学リアクターの提案に向けて、今後も継続的に検討を進める予定である。
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