強誘電体は,強い焦電性(温度変化による分極)及び圧電性(応力による分極)を併せ持つため,携帯電話用SAWフィルタなどへの応用が期待される一方,加工時の高い圧力と温度に晒され,結晶の対称性が破れ極めて脆く割れ易い難加工材料である. 本研究は,まず,温度変化によりLiTaO3の硬度が20%,破壊靭性が45%ほど低下することを押込実験で解明した.圧電・焦電効果による内部応力が研削中LTウエハの作用力の8~9割を占め,ウエハを破壊する主因であることを理論的な推定した.最後に①研削液の温度制御,②電解質添加による表面電荷の中和二つの方策を考案し,LTウエハを100um以下に薄く研削しその有効性を検証した.
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