本研究では,時間軸を新たな機能集積のための次元と捉え,集積回路技術による物理的な二次元集積と合わせて疑似的な三次元集積を実現する新たな集積回路アーキテクチャを確立し,その有効性を検証した。多段二次元画像処理回路を具体的な評価対象と設定し,基本ノードを複数アレイ状に配置し,一時記憶要素からなる時間軸配線を介して複数回駆動する疑似三次元信号処理のアーキテクチャにより,単純に信号処理層をフィルター処理の段数分だけ二次元平面に並列配置した従来の一般的な並列処理構成よりも,高速に処理可能であることを実証した。
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