海面上昇の原因は地球温暖化による海水の熱膨張と氷河・氷床の融解による質量増加だけではない.氷河・氷床の融解による地殻の間静水圧調整(リバウンド)や地盤沈下などによる海水位の相対的変位も考慮しなければならない.一方,従来の海面上昇シナリオは,全球スケール物理過程モデルによる海水の熱膨張と質量変化だけを考慮した予測結果であり,地盤沈下等による相対性海面上昇が深刻なアジア沿岸地域では実用に耐えない.そこで,本研究では,長期観測潮位データを改良型アンサンブル経験的モード分解法で解析し,相対的海面変動を考慮した非線形海面変動を評価した.さらに,改良型半経験的アプローチにより海面上昇の予測を行った.
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