本研究では,強震時における建物上部構造の滑動量把握を目的として,固有周期が規定された試験体の滑動実験から最大滑動量の推定法を検討した.その結果,構造物の固有周期,地震動,により,滑動量が変化すること,同一試験体・同一加振波でも滑動の時刻歴が定性的に異なるケースがあること,最大滑動量を発生する滑動時刻歴の最大滑動量の変動係数は0.2程度であること,最大滑動量の推定値は最大滑動量を発生する滑動時刻歴の最大滑動量平均値の1.2倍程度であること,が分かった.また,境の提唱する震度を用いて告示波相当の地震動を選定し,告示波レベルの地震動による最大滑動量を300mmと推定した.
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