本研究は空調の省エネ化に寄与する除湿空調に関する取組みである。液体除湿媒体と透湿膜を用いることで、従来のロータ式除湿空調機に比べて小型高性能な除湿空調システムの実現を目指す。本課題では透湿性の中空糸膜を用いた実験装置の構築から着手し、中空糸膜と除湿液による除湿単独実験、再生単独実験を実施し、それぞれが空調目的で機能することを確認した。また、除湿空調の課題であった処理空気の除湿・冷却同時処理を容易に実現することを確認した他、除湿容量制御等の実験を併せて行った。これらの成果から、屋外に主装置を設置し、建物内にコンパクトな除湿装置を分散配置したビル用のマルチ型除湿システムの実現可能性が確認された。
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