2点間双方向の音響伝搬時間計測結果から,両計測点間の平均的な風速・温度を求める手法の,都市における代表的なスケールである数十~数百メートル規模での適用性は明らかではない。そこで本研究では,実際的な都市環境における代表的な音源である道路交通騒音に対し道路垂直方向および道路平行方向に測線を設けた場合,および特定の卓越した音源のない一般背景環境音源の場合について,モデル計算および実測により測定可能性を検討した。道路垂直方向では,実測およびモデル計算ともに良好な風速算出結果が得られた。一方,道路平行方向および背景環境音では,モデル計算では良好であったが,実測では風速の計測誤差が大きかった。
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