本研究は、5D-BIMを活用して、建築生産システムにおける技能労働者の役割と位置づけを明確化し、適切な評価と処遇を得るための要件整理を目的としたものである。本研究の成果は、まずは、近年の研究事例が少なかった新しい米国ユニオンの機能について、賃金の決め方、能力評価手法、教育訓練プログラム等について網羅的に考察を行ったことである。その上で、5D-BIMの関係に着目した日米の生産システム、プロジェクトマネージメントの差異を整理し、日本型建築生産システムとBIMシステムの間に存在する矛盾の解決方策として、3Dオブジェクトの分割・合成によるオブジェクトクラスの再定義という新しい視座の考察をおこなった。
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