現在溶液内のpH計測では,複合ガラス電極,IS-FET素子,蛍光による測定があるが,センサの体積や色素の空間的広がりなどの理由で,空間分解能が低く,電極反応界面近傍のpHの測定には適用でが困難である.本研究では,金属/金属酸化物電極のpH応答特性を利用することで,金属腐食反応界面のpH測定に成功した.また,W膜がpH応答特性に優れること,原子間力顕微鏡のカンチレバーに成膜できることを示したことは,今後電気化学反応界面の極近傍のpH測定への応用が期待される.本研究はナノ電気化学分野に対する学術的貢献があるといえる.
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