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2015 年度 実施状況報告書

メゾへテロナノコンポジット化による原型炉級耐照射性銅合金の創製

研究課題

研究課題/領域番号 15K14280
研究機関京都大学

研究代表者

笠田 竜太  京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (20335227)

研究分担者 鵜飼 重治  北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00421529)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワードダイバータ / 銅合金 / 極低温圧延 / メカニカルアロイング / 酸化物分散強化 / 中性子照射
研究実績の概要

本研究では、強度と延性の同時向上のためのメゾ組織制御を目指した極低温圧延法による銅合金の改良とともに、耐照射性の向上が期待できる酸化物分散強化型(ODS)銅合金の開発のためのメカニカルアロイング(MA)プロセスに関する基礎研究を進めた。
極低温圧延法による銅合金のメゾ組織制御については、純銅に極低温圧延法を適用した場合の特性変化のメカニズムを微細組織から明らかにし、加えてCuCrZr合金に適用した場合の引張特性に与える影響を室温圧延材と比較し、集合組織の観点からその効果を明らかにした。また、極低温圧延を施したCuCrZr合金において中性子照射試験を行い,今回の照射条件で照射前の良好な引張特性を失わないことがわかった[1]。

MAプロセスの最適化に関しては、延性の高い銅の粉末を通常の遊星型ボールミル等でMAすると、容器やボールに付着してしまいMAの進行や粉末の回収が困難であることが知られているものの、新たに導入した水冷型高エネルギーボールミル装置を用いることによって、MA中のポット外部表面温度を約42℃で定常とすることに成功し、Y2O3を銅中に分解することに成功したと考えられる。一方、粉末は最終的には粒上に凝集してしまったので、今後の粉末の焼結に向けたMA条件の探索が必要である。

[1] Ryota Ihira, Hyoseong Gwon, Ryuta Kasada, Satoshi Konishi, "Improvement of tensile properties of pure Cu and CuCrZr alloy by cryo-rolling process", Fusion Engineering and Design, in press. (doi:10.1016/j.fusengdes.2016.02.070)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

銅合金への極低温圧延法の適用性評価と特性改善メカニズムの解明を進め、論文が出版準備中である。
一方、メカニカルアロイング(MA)法によるODS銅合金の開発については、水冷型MA装置を新規に導入し、その適用性評価を始めた段階である。
上記を総合すると、銅合金に対するMA法の条件探索については最終年度において加速が必要であるものの、計画はおおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今回のMA条件においては,MA試験前後の質量変化から水冷MA法において粉末の全量を回収することができたものの、粉末はmm程度のサイズに凝集しており、ODS銅合金を製造するためには、潤滑剤導入や水素雰囲気MAによる微粉化等の更なるMA条件の探索を進める必要がある。MA条件の最適化後には、北海道大学のプラズマ焼結装置等を活用して、MAした銅合金粉末の焼結を行い、強度特性評価等を進める計画である。

次年度使用額が生じた理由

ヴァーダー・サイエンティフィック製高エネルギー水冷型ボールミルを他の科研費でも使用することとなり合算して購入することにより経費を抑えた。

次年度使用額の使用計画

装置消耗品であるメカニカルアロイング用容器やボールの摩耗が発生するため、交換用品の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Cryorolling CuCrZr Alloy for Fusion Reactor In-vessel Components2015

    • 著者名/発表者名
      Ryota Ihira, Hyoseong Gwon, Ryuta Kasada, Satoshi Konishi
    • 学会等名
      The 12th International Symposium on Fusion Nuclear Technology (ISFNT-12)
    • 発表場所
      ICC Jeju, Jeju, Korea
    • 年月日
      2015-09-14 – 2015-09-18
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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