本研究では、新たながん治療法の開発を目指し、がん組織への集積性を高めるためのactive targeting分子としてアンチセンスペプチド(AsP)を用いた酸化鉄ナノ粒子の開発研究を行った。乳がん細胞の増殖に関与するHER2を標的としたAsPを作製し、乳がん細胞の増殖への影響及び結合性について解析した。HER2のDomain2に対して16種類のAsPを設計した。その中で増殖への影響を示した6種類について検討したところ、乳がん細胞への結合性を示すAsPを得ることができた。今後は、得られたAsPを酸化鉄ナノ粒子に導入し、担がん動物モデルを用いたがん組織への集積性についての評価を進めていきたい。
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