生体内の一部のmRNAにおけるウリジン(U)からシュードウリジン(Ψ)への修飾の生理的作用を明らかにするため、人為的にΨを導入したアミロイド前駆体タンパク質(APP)mRNAの翻訳産物におけるアミノ酸置換を調査した。APPのE2領域をコードするmRNA断片のコドン435(UUC)の第2塩基にΨ化修飾を導入し、小麦胚抽出物を用いて翻訳反応を行い、生じたタンパク質産物を免疫沈降により精製した。得られたタンパク質試料は未修飾mRNAの翻訳産物と同じ分子質量を示し、APP mRNAのコドン435がUUCからUΨCに変化しても、コードされるアミノ酸はフェニルアラニンのまま変化しないことが示された。
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