筋骨格ストレスマーカー(MSM、筋骨格発達指標)は、体肢骨の筋付着部で骨表面の粗面の発達程度を段階的に点数化し、よく使われていた筋を判別し、頻繁に行われていた動作を推測して、古人骨から過去の生業形態を解明する手段である。本研究では、皮質骨の厚さと筋の力学指標および収縮能指標を求め、MSMとの相関を明らかにし、古人骨の生業形態の精密復元に貢献できる手法を模索した。 同じ環境で成長した年齢の近い同性のオトナ同士では、筋骨格発達指標において筋力に関連した発達程度の差を見出せる骨部位は限定的であることが示唆された。また、筋骨格発達指標は皮質骨厚および筋の収縮能指標とは相関がないことが示唆された。
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