我々はこれまでに社会的敗北ストレスマウスにおいて、腸内の胆汁酸濃度が増加すること、および腸内細菌叢が変動することを見出している。本研究では、これら腸内の変動がマウスのうつ様行動に影響を及ぼすかどうか検討した。胆汁酸吸着レジンの投与および胆汁酸の投与試験の結果から、予想外に胆汁酸が社会性行動を向上させる可能性があることを見出した。また、社会的敗北ストレスマウスの糞便を移植した実験から、マウスの腸内細菌叢が社会性行動に影響していることを示唆する結果を得た。以上、本研究により、社会的敗北ストレスマウスにおいて胆汁酸および腸内細菌叢が社会性行動に影響を与えていることが示唆された。
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