砂層とその下部に礫層を重ねた層状地盤では,土の相対的な保水性の違いによって生じるキャピラリーバリア(CB)機能により,境界面の上部の砂層内で地表面から浸潤してきた水分が捕捉され,集積する。表層部に集積された水分は植生に効率的に利用され,下部層への余分な浸潤が制御されることから,少ないかんがい水での栽培が可能となる。礫層による浸潤水の遮断機能は,逆に,浅層地下水からの毛管水の遮断にも働き,塩分集積を効果的に制御できる可能性を持つ。本研究では,圃場での植栽実験を通して,高い蒸発散条件のもとでのCBの植生生長への効果を明らかにした。あわせて半乾燥地域へのCB農法の適用可能性を現地調査により調べた。
|