本研究課題では,セメント改良工法で効果を発揮しない高有機質土壌(泥炭)を対象とし,その原因解明と対策工法の策定を目指した。本研究の結果から,泥対中の硬化阻害誘引物質は複数存在し,これらは比較的極性の低い物質であることがわかった.活性限界の実験結果から,硬化不良の生じる泥炭に対してセメントで所定の強度を得るには,泥炭質量の10倍以上のセメント質量が必要であることが明らかとなった。以上の結果から,性能照査的に高有機質土壌のセメント改良を効果的に行うためには,予め原因物質の抽出・分析を行った上で,その物質の構造を破壊する薬剤の投入が効果的であることが分かった。
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