本研究では多管型水中ヘルムホルツ共鳴器を利用し,魚の体積を計測することにより,そのサイズに合わせた給餌を可能とする精密養魚を目標としている。そのためには,魚を共鳴器に誘導する技術も必要となることから,音刺激による誘導を試みた。その結果,音刺激と給餌の関係を学習して浮上させ,パイプを通過させることが可能であった。さらに多管型共鳴器による共鳴にも成功し,共鳴器の材質による違いも明らかにしたことより,将来的に水中で生簀の間に共鳴機能を有するパイプを設けて魚を仕分ける可能性を示せた。しかし,多管型共鳴器のネックの寸法,数と音圧レベルの関係を明らかにして,実用化のためのデータ提供には課題が残った。
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