ウェルシュ菌芽胞の細胞接着を分子レベルで解析することで、芽胞の知られざる生物機能を明らかにすることを目指した。 腸管上皮細胞Caco-2とウェルシュ菌を共培養し、細胞へ接着した芽胞数をCFU法で定量化したところ、菌の増殖に伴い形成された芽胞が細胞へ順次接着することが示唆された。そこで芽胞を分離調製しCaco-2細胞へ作用させたところ、定量的に有意な細胞接着が確認され、また形態学的にも多数の芽胞が細胞表面に接着することが、透過型・走査型電子顕微鏡により確認できた。芽胞と細胞接着には定着因子とレセプターの結合が介在する可能性が示唆されたが、この点は今後の検討課題である。
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