本研究は、肝障害時に肝星細胞の活性化抑制を図り、肝線維化を軽減する新規方法論として、肝星細胞に発現する膜輸送体を標的とした戦略について基礎検討を実施した。遺伝子発現データベースの情報に基づき、複数の条件で同一方向の変動を示すトランスポーターAに着目し検討した。Aの輸送阻害薬をLX-2細胞に添加後、TGF-β依存的なCOL1A1,α-SMAの発現上昇を確認したところ、阻害薬濃度依存的に発現抑制が観察された。さらに、AのsiRNAを複数調製し、ノックダウンしたところ、概ね上記と同様の発現抑制が確認された。これらよりトランスポーターAの発現が肝星細胞の活性化促進に寄与する可能性が示唆された。
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