双極性障害は、躁と鬱の両方が病態として観察され、思春期の男女で発症する疾病である。今まで、モデル動物もなく、病因が明確でないことから、抜本的な治療薬もなかった。我々は、Piccoloという分子を前頭葉皮質で減少させることで双極性障害モデルマウスの作成に成功した。さらに、本モデルを用いて、双極性障害の原因を解明するために、最新の光刺激反応実験と、我々が今までに培ってきたin vivo マイクロダイアリシス法または多電極細胞外電位記録システムを組み合わせることで、脳のどの部位のどの細胞の異常で双極性障害が発症する原因の一部を明らかにした。本モデルマウスを用いて、双極性障害治療薬の創生が期待される。
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