位相X線イメージングは、X線の位相を用いて物質固有の屈折率を可視化する技術であり、吸収率を可視化する吸収X線イメージングでは判別困難な軟組織や微小組織の可視化が行えることが期待されている。しかし、X線の位相を用いた投影法が実用化に進む中、位相X線CT法はスキャン時間が長く、観測ノイズ・数値誤差に対して脆弱なため実用化の目処が立っていない。本研究では、臨床で一般的に用いられるX線源でイメージングのできるエッジ照射型位相X線法を対象とし、その確率的なノイズを含む観測の物理過程を模擬した確率モデルを構築し、統計推定を行うことで脆弱性の問題点を克服した位相X線CT法の開発を行った。
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