アスピリンによるがん予防介入試験で、喫煙者の発がん促進が報告されている。このアスピリンと喫煙による発がん増悪現象を細胞レベルで再現することを目指して、まず、アスピリンの主要体内代謝物であるサリチル酸 +/-たばこの煙濃縮物を添加した培地で、大腸がん細胞株LIM1215を長期培養した。 これら細胞を用いて、足場非依存的コロニー形成能を指標として、経時的に、増悪現象の再現について検証を行った。しかし、1年以上培養を繰り返したが、培養条件の違いによる足場非依存的増殖能に明確な差は生じなかった。今回検討した培養条件下では発がん増悪現象を再現することが出来ないと結論するに至った。
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