急性毒性が無く特定の臓器や組織に対する指向性も無いHSP16.5を利用し、肝星細胞を標的とする革新的ナノドラッグキャリアを開発することを目的とした。 親水性ポリエチレングリコールリンカーを介して固定化されナノスケールの球状構造体となったHSP16.5が、肝星細胞に対して特異的に結合することを確認した。この星細胞標的化分子修飾型ナノカプセルは、肝硬変モデルマウスの肝臓内の星細胞に対して安定的に毒性無く高い集積性を示した。肝臓の組織化学的評価により、ナノカプセルが類洞を中心として肝臓全体に集積していることが確認できた。 本研究が肝星細胞制御法の確立の端緒の一つと成り得ることが示唆された。
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