アンドロゲン除去療法(ADT)開始直後のアンドロゲン欠乏下で、ヒストン修飾酵素の一つであるJARID1Bの発現が上昇することを見出した。実際にJARID1Bは、転移性前立腺癌、限局性前立腺癌の順で、正常前立腺組織よりも発現が上昇していた。さらに、このJARID1Bの発現は、mRNAの3’UTR領域の2か所の部位を介して、microRNA-29aによその発現が制御されていることを見出した。以上の結果より、アンドロゲンを除去した状況で細胞を培養すると、JARID1Bの発現が上昇し、その機序としてmicroRNA-29aが関与していることが示唆された。
|