研究課題
リバースジェネティクス法を用いて、HPV抗原遺伝子(A、B、C、D)を挿入したhPIV2ΔMベクターの作製を複数回行ったが、AならびにC遺伝子を挿入したhPIV2ΔMベクターは研究期間内には作製できなかった。作製できたB/hPIV2ΔM およびD/hPIV2ΔMについては、hPIV2-M遺伝子発現細胞にMOI=0.1で感染させウイルスの増殖能を解析した。AならびにC遺伝子を挿入したhPIV2ΔMが作製できなかったため、hPIV2のHN遺伝子を欠損させたhPIV2ΔHNを用いてリコンビナントウイルスの作製を試みた。B 、C、 D遺伝子を挿入したウイルスの作製には成功したが、A遺伝子挿入hPIV2ΔHNの回収はできなかった。得られた3種のウイルスをhPIV2-HN遺伝子発現細胞にMOI=0.01で感染させウイルスの増殖能を解析した。B/hPIV2ΔHNはB/hPIV2ΔMより安定した高いウイルス産生能が認められ、高タイターで回収できた。得られたワクチンベクターの子宮頸癌に対する予防効果を確認するために、作製したB/hPIV2ΔHN[2x10e6(TCID50)]を、マウスに経鼻投与(1週おき4回)し、血清中のHPV抗原に対する抗体産生能ならびに中和抗体価を蛍光抗体法ならびにELISAで解析した。ワクチンベクターに導入したHPV-B抗原に特異的な抗体産生が認められ、さらにHPVに対する既知の中和エピトープに反応するマウス血清も確認できた。これらの結果により子宮頸癌予防ワクチンとしての有効性が示唆された。一方、D/hPIV2ΔM[3x10e5(TCID50)]を同様にマウスに投与し、子宮頸癌に対する治療効果を解析したが、ワクチンの接種量が少なかった為か、既知のCTLエピトープ刺激によるELISPOTアッセイ(INF-γ)では、そのワクチン効果は確認できなかった。
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PLos One
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