臨床研究と細胞実験を行った。臨床研究では、予定手術かつ術後集中治療室で48時間以上の加療を行う患者で時計遺伝子群とせん妄との関連を主要転帰とした前向き観察研究を行った。せん妄発症群と非発症群との間で末梢時計遺伝子群に有意な違いを認めなかったが、どの患者も概日リズムは崩れていた。また、重症患者では組織の低酸素状態をなりやすいため、低酸素の概日リズムへの影響を細胞実験で確認した。培養A456細胞を1時間低酸素として時計遺伝子群への影響を調査したが、有意な影響を認めなった。ただし、中枢の時計遺伝子群の評価として用いる予定のメラトニンの測定が途中などの残りの研究課題についても検討中である。
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