骨構成細胞の大部分を占める骨細胞は、骨の恒常性のみならず、全身の臓器に影響を有する内分泌性の細胞であるという認識が広まりつつある。これまで、骨細胞特異的な遺伝子欠損マウス作製のためのCreマウスとしてはDmp1-Creが使用されてきたが、Dmp1-Creは骨細胞だけでなくその前駆細胞である後期骨芽細胞や、筋細胞、脳の一部の細胞、消化管の間葉系細胞の一部などでもCreが発現してしまうことが指摘されている。本研究では、骨細胞分化過程や、頭蓋骨Dmp1陽性・陰性細胞画分のトランスクリプトーム解析などにより、骨細胞に限局して発現する遺伝子を同定し、真に骨細胞特異的なCre発現マウスの樹立を行った。
|