この研究では,間葉系幹細胞の一つである歯髄細胞のヘルパーT細胞(Th17)の増殖と分化を抑制し、ナイーブT細胞から制御性T細胞への誘導能があることを確認した。具体的には,抜去歯から採取した歯髄細胞を培養増殖させた。次に,自己免疫疾患である1型糖尿病自然発症モデルマウスの脾臓細胞を取り出して,ヒト歯髄細胞と共培養後に,脾臓細胞の生存数と制御性T細胞数の増加とインターロイキン17産生能力を持つTh17細胞数を減少させることを動物実験モデルにて見出した。次に,その動物モデルを用いて歯髄細胞と共培養後の発現たんぱくと遺伝子を網羅的に解析し、免疫寛容に関与するサイトカインの発現量の変化を確認した。
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