神経障害性疼痛の発症機序は未だ明らかでないが,原因は侵害情報伝達の可塑的変化にあると考えられ,近年,その可塑的変化の成立にはグリア細胞が重要な役割を果たすことがわかってきた.本研究は,ラット延髄水平断スライス標本に組織透明化手法を適用し,蛍光抗体法を用いた免疫組織化学的手法による研究方法を確立すること,さらに神経障害性モデル動物において実際にグリア-ニューロン連関を明らかにすることを目標とした.厚さ数mmのラット透明化延髄水平断標本に蛍光抗体法を適用し,三次元的観察を試みた.その結果,一定の透明化は得られたもののSN比が不十分であり,今後様々な標本作成条件・染色条件の検討が必要と考えられた.
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