本研究では携帯型超音波画像診断装置(ポケットエコー)の活用を試みた。高性能エコーとの比較によりポケットエコーでも乳腺の観察が可能であることを実証した後、妊婦を対象に妊娠経過に伴う乳腺の変化を妊娠初期から妊娠後期まで縦断調査した。その結果、妊娠経過に伴い乳腺組織部位の厚みが増す様子が観察でき、ポケットエコーは、乳腺の厚さの変化から乳腺の発育評価に有用であることが示唆された。 残念ながら、対象者不足により乳汁分泌の予測指標を開発するまでには至らなかったが、乳腺の発育が進む時期などによって産後の乳汁分泌が異なる示唆を得ることができた。
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