本研究の目的は、音声データから快感情を分析することにより認知症高齢者に快刺激となる日常生活場面のコミュニケーション技術を開発することであった。そこで、精神科病院のスタッフを対象に質問紙および面接調査後、模擬場面を設定して健康な成人を対象に音声データの収集と分析を行った。その結果、援助者が認知症高齢者に快刺激となるコミュニケーションを短時間であってもケア場面で行うことは可能であると考えられた。また、模擬場面からは挨拶および選択、試行錯誤後の発見や達成の場面に快感情があることが確認された。一方、音声ではとらえられない表情や行動が快感情に関係していることが示唆された。
|