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2015 年度 実施状況報告書

ストレス軽減および認知機能の維持向上を意図した笑いヨガプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K15889
研究機関石川県立看護大学

研究代表者

中道 淳子  石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (70324085)

研究分担者 森田 聖子  石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30554878)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード笑いヨガ / 脳血流 / 高齢者 / 認知症
研究実績の概要

本研究の目的は、グループホームで生活する認知症高齢者が実施可能な「笑いヨガ」プログラムを作成すること、またそのプログラムの効果検証を行うことである。
第1段階では、地域の高齢者を対象に笑いヨガ実施時の頭部近赤外光計測装置での前頭前野領域脳血流動態(酸素化ヘモグロビン値)の測定を行い、脳血流が増加しやすいラフターを明らかにすることに取り組んだ。
笑いヨガ実施時の脳血流測定は平成27年9月に2回笑いヨガティーチャーの資格をもつ看護師が実施した。1回目は基本的なラフターに加え、童謡を歌ったり、ボールを使ったりして笑った。2回目は基本的なラフターに加え、カードを用いてメッセージを伝えたりほめあったりして笑った。研究に協力いただいた高齢者は7名(67~85歳)で、改訂長谷川式簡易知能評価スケールで22点以上である。1回の笑いヨガで4名の脳血流を測定した。1回目2回目ともに脳血流を測定させていただいた方は1名である。笑いヨガは、1回目、2回目ともに「導入」・「笑いエクササイズ」・「クールダウン」の流れで実施した。「笑いエクササイズ」の中で際立って脳血流(酸素化ヘモグロビン値)が上昇するラフターは認められず、若干の変動はあるものの「笑いエクササイズ」が進むにつれ脳血流が上昇し、終盤にかけて脳血流が最大値を示した。
笑いヨガ実施前の安静時(1分間)の脳血流を基準値とした場合、笑いヨガ実施後の安静時間(1分間)の値は、8名での平均が3073.1(1346.0~7309.4)であった。1回目の笑いヨガ実施後の安静では4名の平均で3664.8、 2回目の笑いヨガ実施後の安静では4名の平均で2481.5であった。
つまり、脳血流が増加しやすいラフターが特別あるのではなく、場の雰囲気などに合わせながらラフターを選択していくことで「笑いエクササイズ」の終盤に向け徐々に脳血流が上昇していく傾向が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第1段階調査(地域在住の高齢者に対する笑いヨガ時の脳血流量の測定)では、予定よりも対象者数が少なくなったが脳血流の測定ができ、終了した。現在、第2段階調査の準備を行っており、概ね当初の計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、第2段階に入る。
第1段階で概ねどのラフターを用いても、「笑う」ことを繰り返していく笑いエクササイズの終盤にむけて脳血流量が増加する傾向が明らかになったため、認知症があってもわかりやすいラフターを中心に笑いヨガプログラムをたて、認知症高齢者に実施する。その際に、頭部近赤外光計測装置を用いて前頭前野領域脳血流動態の測定を行い、健常高齢者と同様の結果が得られるかを確認する。
第2段階調査が順調に進めば、平成29年度に予定していた「認知症高齢者用のわかりやすい笑いヨガ」を認知症対応型共同生活介護施設にて実施し、認知症高齢者及びケアスタッフの実施前後における唾液アミラーゼ活性値測定の調査を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初、HITACHの頭部近赤外光計測装置(HOT121B)を2台購入予定で申請したが、実際にいただいた予算では1台分しか購入できない状況であった。1台では1回に1人しか測定できないため、購入ではなく他会社でレンタルをしている製品を用いることとした。レンタル料金は購入するより安く平成27年度は予算が余った。

次年度使用額の使用計画

平成28年度の大2段階研究では、平成27年度に頭部近赤外光計測装置を購入してしまっている予定であったので、レンタル料金を見積もっておらず、平成27年度未使用額を平成28年度のレンタル料金に充てる予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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