研究課題/領域番号 |
15K15889
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
中道 淳子 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (70324085)
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研究分担者 |
森田 聖子 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30554878) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 笑いヨガ / 認知症高齢者 / グループホーム / ストレス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、グループホームで生活する認知症高齢者が実施可能な「笑いヨガ」プログラムを作成すること、またそのプログラムの効果検証を行うことである。 第1段階では、地域の笑いクラブに通う高齢者を対象とし、笑いヨガ実施時に携帯型赤外線組織酸素モニター装置(PocketNIRS:以下、PNモニター)で前頭前野領域脳血流動態の測定を行い、「笑いエクササイズ」の終盤に向け徐々に脳血流が上昇していく傾向が明らかとなった。 第2段階では、対象者をグループホームに入居中の認知症高齢者とし、第1段階と同じ手法で測定を行った。研究の承諾が得られた者は8名(男性2名、女性6名、平均年齢89.1歳、HDS-Rの平均7.9点)であった。研究期間は2016年5月と6月であり、この期間に笑いヨガを6回実施した。対象者1名につきPNモニターを2回装着する計画で、1回の笑いヨガでPNモニターを3台使用し、3名の測定を行った。延べ18のデータが収集可能な計画であったが、対象者が測定中にPNモニターに触れ装着部位をずらしたり装着そのものを辞めてしまったことにより、7データの収集は最後までできなかった。最後まで計測できたのは、11データ(1回計測3名、2回計測4名)となった。 笑いヨガ実施前の安静時(1分間)の脳血流を基準値とした場合、笑いヨガ実施後の安静時(1分間)の値は、7人11回分の平均で578.2(最低-1003.8 、最高2748.2)であった。脳血流が減少したのが3回、増加したのは8回であった。 認知症高齢者にとって前頭前野部の脳血流量増加を認めやすい「笑いエクササイズ」は測定方法の限界があり、統計で明らかにできなかったが、第2段階調査で実施した笑いヨガは認知症高齢者が笑いながら行えていた。そのため、2段階調査で行った内容とほぼ同じ笑いヨガを第3段階調査でも採用し、ストレス面の効果測定を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第2段階調査では、測定方法に課題があり、予定していた数のデータが得られなかった。測定方法に関しては早急に変更はできないため、第2段階調査を一旦中断し、第3段階調査に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は本研究の最終年度となる。第3段階では、グループホームで生活する認知症高齢者とスタッフの両者に笑いヨガを行った際の効果として、脳血流量とは別にストレス軽減という切り口で効果判定を行う調査である。 平成28年度には1施設で実施した。1施設ではデータ数が少ないため、平成29年度はもう1施設で同様の調査を行い、2施設におけるデータを合わせて考察する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に、HITACHの頭部近赤外光計測装置(HOT121B)を2台購入予定で申請したが、実際にいただいた予算では1台分しか購入できない状況であった。1台では1回に1名しか測定できないため、購入ではなく他会社でレンタルをしている製品を用いることとした。平成28年度も機器は購入せず、平成27年度の残りをレンタル料金に充てた。しかし、機器購入料金にまでは達せず、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度が最終年度であるため、論文執筆時の英文校閲等に使用していきたい。
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