本研究では,従来は表面下散乱現象の複雑さから解析が難しかった半透明物体に対して,コンピュータビジョンによる画像を用いた被写体の幾何形状と散乱パラメータの取得技術の実現を目的とする.本研究を通じて,私たちは,半透明物体を対象として被写体の陰影情報から法線情報を推定する新たな陰影解析手法を提案した.さらに,液体のような散乱の性質にも着目し,散乱現象の方向依存性を表す位相関数の計測を実現した.また,これらの知見をもとに,寄与最大経路から表面下散乱光を計算することで,もっともらしいレンダリング結果をリアルタイムに得ることができる手法を新たに提案した.
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