湿性除去過程は、大気エアロゾルの沈着量と気中存在量を支配する。湿性除去過程は、雲核形成に伴う雲内除去(rainout)と雨滴との衝突併合による雲底下除去(washout)に大別されるが、通常の観測ではそれらを区別して測定することが出来ない。本研究では、rainout/washout寄与率を個別に評価するために、降水の粒径分布と化学成分を高時間分解能で測定できるディスドロメーターと酸性雨測定装置を気象研究所の露場に設置して連続観測を行った。その結果、硫黄酸化物に対してはwashoutの寄与率はどれだけ大きく見積もっても20%程度と、先行研究(観測、モデル共に50%程度)に比べて低かった。
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