放射線照射を受けた細胞では損傷タンパク質や細胞小器官の蓄積により生理機能が阻害されアポトーシスが誘導されることを防ぐため、オートファジーを活性化させているのではないかと仮定し、その解明に向けて様々な実験を行ってきた。20GyのX線を照射されたヒト線維芽細胞は照射8日目にはほぼすべての細胞で老化することが分かった。また、照射後のLC3-IIタンパク質の発現量からオートファジー活性も上昇することが分かった。このことから、照射で生じた損傷タンパク質や細胞小器官はオートファジーにより除去され、オートファジーが細胞の生理的機能の維持に大きな役割を担っていることを明らかにすることができた。
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