魚類に優先的に起こるPBDEsの脱臭素化は甲状腺ホルモン活性化酵素である脱ヨウ素酵素によって起こるとされている。本研究では、PBDEs脱臭素化について魚類の異物代謝感受性を調べる上で重要な種差の要因を調べることを目的とした。PBDEsのうち、脱臭素化が最もされやすいと考えられているBDE99と高い脱臭素化能を持つアベハゼに着目し、様々な魚類筋中の蓄積状況と肝ミクロソームによる脱臭素化能の比較を行った。その結果、BDE99蓄積のない魚種の多くが脱臭素化能を持ち、一部例外は認められたものの両者の関係は概ね整合性が確認された。特に、アベハゼに限らずコイ科魚類全般にてBDE99の脱臭素化が認められた。
|