研究課題
本研究は食事を介した認知機能の低下予防を目的とし、15年以上実施されてきた地域在住中高年者を対象とした長期縦断疫学調査から、大豆製品・イソフラボン摂取と認知機能との関連について検証するものである。食事量は3日間の食事記録調査から算出し、認知機能は認知機能障害スクリーニング検査(MMSE)を用いて評価した。本年度は、予定していた縦断的解析のうち、豆類摂取量により3群に分け、エストロゲン受容体遺伝子型(ESR1およびESR2)の違いによる各摂取群の各知能得点(知識、類似、絵画完成、符号)、総知能得点、推定知能指数の経年変化について検討するために、第1次から第7次調査まで参加している対象者において、Mixed effect modelを用いて推定した。その結果、男女ともにエストロゲン受容体遺伝子型の違いに関係なく、ベースライン時における豆類摂取低群よりも高群で有意にすべての知能得点、推定知能指数は高かったが、これらの経年変化には豆類摂取量の多寡は影響しなかった。またサブ解析として、本研究対象者のイソフラボン摂取量がどのような食品に由来しているのかを推定した。代表的なイソフラボンであるダイゼイン、ゲニステイン、グリシチンに関して、それぞれ寄与食品を算出したところ、いずれのイソフラボンに関しても、豆腐、納豆、味噌、大豆・加工品類、油揚げが上位5食品を占めており、その他の豆類や淡色野菜、緑黄色野菜類などからも摂取されていることが分かった。
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