本研究では,各年代の学生の理解度・環境に即した適切な情報セキュリティ・情報モラル教育が可能な枠組みを構築することを目的に,学生の情報セキュリティ教育の現状を分析し,その分析に基づいた学習ツールを開発した.分析では,道徳の教科書や副読本をもとに分析し,教え方や教えるべきテーマを検討した. その後,ユーザの現実・環境に即した教育を実現するため,ゴールベースシナリオ理論を応用した習熟度別・年代別に学習可能なツールと疑似実環境に基づく体験型ツールを構築した.前者はアドベンチャーゲーム形式,後者は3D空間で擬似的にインシデントを体験できる形式である.特に後者は検証実験の結果からも有効であることが示された.
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