本研究では,企業の設備投資問題に対する新たな確率制御アプローチを提案した.具体的には,従来研究とは異なり,設備の拡大縮小を離散的にするために,インパルス制御を2変数に拡張した「平面インパルス制御」という新たな解法を構築した.主な研究成果として,(1) 平面上のインパルス制御問題のより効率的な計算方法の考案,(2) コーポレートファイナンスへの応用問題として負債再交渉下での最適なデフォルトと清算の戦略分析,(3) 環境投資への応用問題として,再生可能エネルギー利用割合基準(RPS)の政策問題の分析,(4) 競争投資の応用問題として,レジームスイッチ下の投資競争問題の分析が挙げられる.
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