本研究は、土石流の被害拡大に対して構成材料や地形、人工構造物の影響を明らかにし、統合的な解析システムの提案を目的として調査、実験、解析により検討した。細粒土砂が多く含まれる土石流は、液相密度や代表粒径を適切に設定する手法を示した。橋への流木閉塞を検討し、閉塞頻度や統計的手法から閉塞の境界条件を導出した。不明瞭な谷地形や建物・道路・流路の影響を情報収集、実験、解析から検討した。地形や人工構造物の影響を考慮する解析には高解像度DEMが適することを確認した。提案システムをGISと連携し、各要因を表現する解析モデルや入出力設定UIを実装してモデル統合を行うことで、防災対策の検討に効果的なツールとした。
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